中小企業における交際費の損金算入時の注意点と実務対応について

お知らせ・コラム

中小企業における交際費の損金算入時の注意点と実務対応について

1.交際費の定義と対象範囲
交際費とは、接待や贈答など、取引先との関係維持・強化を目的とした支出を指します。中小企業においても、飲食費、贈答品、接待ゴルフ代などが典型的な交際費に該当します。ただし、社員の福利厚生にかかる費用や、社内での会食費は交際費とは区別し、福利厚生費として計上することが求められます。この区別を誤ると、税務上の指摘を受ける可能性があるため、注意が必要です。
2.中小企業の交際費の損金算入範囲
中小企業(資本金1億円以下の法人)は、税制上の優遇措置を受けています。具体的には、年間800万円までの交際費を全額損金に算入することが可能です。この制度を活用することで、交際費が直接的に税額を軽減する効果を持ちます。一方で、800万円を超える部分については損金不算入となるため、計画的な経費管理が必要です。
3.実務対応のポイント

中小企業が交際費を適切に管理し、税務リスクを低減するためには、以下の具体的な対応が重要です。

  1. 経費の目的・対象の明確化

    • 支出の目的(例:取引先の接待、贈答)を明確に記録する。
    • 取引先の名称や接待した日付など、詳細情報を記録する。
  2. 領収書・証拠書類の整備

    • 支出に対する領収書を必ず保管する。
    • 高額な贈答品などは、受領書や感謝状などの証拠書類を備えておく。
  3. 経費分類基準の社内共有

    • 交際費と福利厚生費、その他の費用を区別する基準を社内で明確にする。
    • 社員全員に対して、その基準を教育し、理解させる。
  4. 税務調査への備え

    • 過去の税務調査の指摘事項を参考に、同様の問題が再発しないように管理する。
    • 税務調査に備えて、交際費に関する書類や記録を整理し、迅速に提示できるようにする。

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