インボイス制度開始!5つの要注意ポイント!

お知らせ・コラム

インボイス制度開始!5つの要注意ポイント!

はじめに

令和5年10月1日よりインボイス制度が開始されました。
制度の内容も認知されてきておりますが、今回はインボイス制度における5つの要注意点を解説してまいります。

ぜひ、最後までご覧ください。

 
その1 クレジットカードで3万円未満の取引があった場合
インボイス制度開始前は、クレジットカードで決済した場合、税込み3万円未満である場合は、
やむを得ない理由があった場合、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができました。


しかし、今回のインボイス制度により、こちらの制度は廃止され、インボイス制度の要件を満たした領収書の保存が必須となりました。
破棄や紛失せず、大切に保存するようにしましょう。
その2 交通費について
交通費について、税込み3万円未満の公共交通機関の旅客の運送の取引であれば、
領収書がなくとも、帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能となる、公共交通機関特例に
該当します。


特例の対象は鉄道、バス、船舶に限られており、航空券やタクシーは対象外となっております。
また、入場料金や手回品料金は旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので
この特例に該当しません。

あらゆる交通手段を利用する場合には注意しましょう。
その3 ETCの利用料について
「その1」でもご紹介したように、税込み3万円未満のクレジットカード決済取引でも、
領収書の保存が必要になります。ETCシステムも例外ではありません。

原則は、全ての取引について、ETC利用照会サービスでダウンロードした
「利用証明書(簡易インボイス) 」を保存する必要がございます。

ただし、ETCの利用頻度が高い場合、この運用は負担になります。
そこで、高速道路会社から発行される「利用明細書」を保存しておくことを条件に

「クレジットカード利用明細書(個々の高速道路利用状況が分かる)」のみで仕入控除が適用される措置が取られました。
利用明細書の発行方法はETC利用照会サービスサイト支払いから行います。

ちなみに料金所で発行される利用明細書は、
現金・クレジットカード(ETCを除く)で支払う場合のみ有効となります。


ETCは対象外となりま
すので、注意しましょう。
その4 インボイス制度開始後の会議費の判定額

会議費は1人あたり5,000円以下とされております。
つまり税抜経理を採用している場合は5,500円、税込経理を採用している場合は5,000円以下であれば、会議費の条件の1つに当てはまります。

注意しなければいけない点として、インボイス制度に登録していない店舗で
飲食等をする場合です。

例えば、飲食代の合計額が33,000円、参加人数が6人の場合、1人当たり5,500円(税込)となります。
税込経理の場合、この時点で会議費の条件から外れますが、

税抜経理の場合、インボイス制度開始前までは、本体価格が5,000円、仮払消費税が500円となるため、条件を満たしていることとなります。

ただし、インボイス制度開始後は、消費税額の20%分※つまり100円が(500円*20%)は仕入控除の適用外となるため、1人あたり5,100円となり、会議費の条件から外れてしまうことになります。
インボイス制度に登録していない店舗で飲食する際は、金額に注意しましょう。

 

※令和5年10月1日から令和8年9月30日の間に、インボイスに登録していない事業者から仕入れを行った場合、仕入税額相当額の80%を控除できます。

その5 インボイス制度における振込手数料について
こちらのテーマについて、疑問がまだ完全に解消していない方も多くいらっしゃるかと存じます。

今回は国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の“【問29】売手が負担する振込手数料相当額について”を例題ケースに解説いたします。


「問 29 売手からの代金請求について、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うことで売手が負担する商慣行があります。この売手が負担する振込手数料相当額について、適格請求書等保存方式の開始後、売手が代金請求の際に既に適格請求書を
交付している場合に、必要となる対応を教えてください。」
【令和5年4月追加】
【令和5年10月改定】

つまり、インボイス制度に登録している売手が、振込手数料分の代金を請求額から
差し引いて買手に振り込む(売手が振込手数料を負担する)際は、
どのような対応が必要なのかということになりますが、国税庁は3つの方法を明示しております。
(1)売手が振込手数料相当額を売上値引きとする場合
 原則、返品、値引き、割戻し等(売上に係る対価の変換等)を行った場合は、
返還インボイスを交付することとなっておりますが、1万円未満の少額の場合は、
免除されます。
今回の場合、請求金額から振込手数料を値引きしておりますが、
一般的に振込手数料相当額は1万円未満と考えられるため、
交付義務はないものとされ、特に必要な対応はありません。
(2) 振込手数料相当額について、売手が買手から「代金決済上の役務提供(支払方法の指定に係る便宜)」を受けた対価とする場合
難しい表現となっておりますが、要約すると、売手が振込手数料を仕入税額控除として処理したい場合、
ということです。

この場合は、売手が振込手数料の仕入明細書等を作成し、買手に渡して、確認を
受けて仕入税額控除を行うこともできます。

ただし、以下を満たす事業者は期間限定で、一定の事項が記載された帳簿の
保存のみで仕入税額控除が認められます。

対象:基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5千万円以下である事業者が国内において行う課税仕入れについて

期間:令和5年10月1日~令和11年9月30日まで
(3)買手が売手のために金融機関に対して振込手数料を立替払いしたものとする場合
売手は、買手が作成した立替金清算書と、買手が金融機関から受け取った
振込手数料に係る適格請求書(インボイス様式を満たした請求書)を受け取ることで、
仕入税額控除ができます。

※買手が金融機関のATMを使って振込手続きを行った場合、そのATM手数料は
自動販売機特例の対象となるため、適格請求書及び買手が作成した
立替金精算書等の保存は不要となり、一定の要件の下で帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能となります。

この方法を採用される際は、買手に確認を取りましょう。


 

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回はインボイス制度における5つの要注意点をご紹介させていただきました。
日々の経理処理のお役に立つことができれば幸いです。
次回もどうぞ、お楽しみに!
ありがとうございました^^

 

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