「会社を休眠させれば税金はゼロ」の落とし穴 ~休眠会社の税務と実務~

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「会社を休眠させれば税金はゼロ」の落とし穴 ~休眠会社の税務と実務~

会社の業績不振や経営者のご高齢などを理由に、会社を「解散」ではなく一時的に「休眠」させるケースが増えています。解散・清算の手続きには数十万円の費用と手間がかかりますが、休眠であれば将来的な事業再開も可能です。

しかし、「事業を止めたのだから、税金も申告も一切不要になる」と考えるのは非常に危険です。今回は、休眠会社にまつわる税務上の重要ポイントを解説します。

 

1. 「均等割」は届出をしないと免除されない

法人は、たとえ利益がゼロ(赤字)であっても、毎年「法人住民税の均等割(最低でも年間約7万円)」を納める義務があります。休眠状態に入ったからといって、自動的にこれが免除されるわけではありません。

休眠する場合は、速やかに税務署、都道府県、市区町村へ「異動届出書(休眠の届出)」を提出する必要があります。この届出を行い、役所から「事業活動がない」と認められて初めて、均等割の課税が免除(または減免)されるのが一般的です。無届のまま放置すれば、毎年税金の納付書が届き続けることになります。

 

2. 「ゼロ申告」を怠ると青色申告が取り消される

休眠中であっても法人が存在する以上、本来は毎年の確定申告の義務があります。「売上がないから」と申告手続きを放置し、2期連続で無申告となると、税務署から「青色申告の承認の取り消し」を受けてしまいます。

これを取り消されると、過去の赤字(欠損金)の繰越控除が使えなくなります。将来、事業を再開して利益が出た際に、過去の赤字と相殺して節税することができなくなるという大きな痛手を負います。そのため、休眠中であっても毎年「ゼロ申告」を続けるのが、実務上の安全策です。

【実務例:放置してしまったA社長のケース】
数年前に実質的に事業を停止したA社長。休眠の正式な手続きを知らずに放置していたところ、ある日役所から数年分の均等割(約20万円)の督促状が届き、慌てて当事務所へ駆け込んできました。

すぐに過去に遡って休眠の異動届出書を提出し、自治体と交渉したことで均等割の遡及免除は認められましたが、確定申告を数年間放置していたため青色申告は既に取り消されてしまっていました。結果として、事業再開時の節税メリットを失うことになったのです。

 

3. 登記の放置で「みなし解散」のリスク

税務以外にも注意点があります。休眠中であっても、役員の任期(最長10年)が満了すれば「役員変更登記」が必要です。最後の登記から12年経過すると、法務局により「みなし解散」として職権で強制的に解散させられてしまいます。

 

まとめ

会社の休眠は、あくまで「一時停止」にすぎません。ただ放置するのではなく、正しい税務手続きと申告を行うことが、将来のトラブルを防ぐ鍵となります。会社を休眠させようとお考えの際は、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ぜひ早めに税理士などの専門家へご相談ください。

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